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hayari がソーセージについて想うこと

ソーセージを大要すると

さまざまな食材を『袋状』のものに入れて人間が食べられる処理(加熱、乾燥など)を施したもの

(一部例外あり)をソーセージと呼びます。

国によってヴルスト、サルシッチャ、リングィーサ、サイクローク、腸詰など呼び方は様々です。

人類史では5000年程前から登場し「肉を塩蔵」した記録が粘土盤に刻まれていたことから、文字や車輪の発明をしたとされるシュメール人が発祥とも言われます。

狩猟から牧畜の文化があった地域では『毎日狩をするのは骨がおれる。。食べきれなかった肉を明日も明後日も、そのずっと後も食べられるようにできないものか?』

かくしてそれは先人たちの創意工夫によりなるべくして生まれた知恵であると、私たちhayariは思いを馳せます。腸や胃は“包装材”の役割を果たし、汁気を帯びた肉などをそれらに詰めて吊るせば、遊牧の民には大変便利なアイテムだったことでしょう。

冷蔵庫がなかった時代、乾燥させることで携行できる保存食になり、航海や兵士の遠征に欠かせない食べ物として世界中で重宝されたそうです。また、ソーセージ大国ドイツでは冬の痩せた土地での牧畜が困難なことから、秋には獣の命を頂きあらゆる部位(肉、内臓、スジ、皮、血液等)をハム、ソーセージに加工して、越冬の貴重なタンパク源にしました。

ソーセージはあらゆる食材をアップサイクルできるユニークな食品です。

現代であれば包装材も充実し、冷蔵冷凍庫がありますので「屠畜した命や大地や海の恩恵を無駄なく、いただく」手段であり「美味しければ何を詰めてもOK」な自由度を極めれば、食材の最終受け皿として活躍できる可能性を秘めている食べ物です。

ですから私は「加工肉」ではなく、ソーセージを「筒型のお料理」と捉え大事に育てられた食材が筒の中で手を取り合うように丹念に仕上げていきたいと思います。

化学結着剤・発色剤・保存料・アミノ酸等(うまみ調味料としての)を使用せず、素材の力を信じて造る『自然派ソーセージ』をどうぞお楽しみください。

村上武士 TAKESHI MURAKAMI 

福島県いわき市出身。役者を目指して劇団を渡り歩くも料理の道に目覚め転進。様々な料理店の経験中フレンチソーセージの繊細さに感銘を受ける。2009年東京恵比寿に、無添加ソーセージと自然派ワインの店”hayari”をオープン。2014年『シャルキュティエのソーセージレシピ』誠文堂新光社より発刊。2015年中国語 翻訳版 経典香腸製作大全(中国民族攝影艺术出版社)2018年、自然に囲まれた山梨県上野原市に移店。現代ソーセージ研究家としてメディア出演、執筆、レシピ開発などを手掛ける。2023年DLG(ドイツ農業協会)国際コンテスト金賞受賞。

日々、ソーセージ=筒形料理≪お料理としてのソーセージ≫を追求している。